IP-VPNとは、通信事業者の保有する広域IP通信網を経由して構築される仮想私設通信網(VPN)のこと。 IP-VPNを経由することによって、遠隔地のネットワーク同士をLANで接続しているのと同じように運用することができる。 本来、バックボーンがIPベースで運用されているネットワークであれば、インターネットとの接続の有無に関わらずIP-VPNと呼ばれるが、通常は、通信事業者が独自に構築した閉域IP網を介して構築されたものをIP-VPNと呼ぶ。ちなみに、インターネット上で実現されるVPNをインターネットVPNと呼ぶ。 インターネットを介さないIP-VPNは、セキュリティや通信品質を向上させることができる。 IP-VPNサービスとしては、IP網上にネットワーク同士を直結する仮想専用線を構築するものと、仮想ルータを提供してルーティングまでを引き受けるものがあり、後者のサービスが特に注目されている。 ルーティングサービスを提供するIP-VPNサービスでは、プライベートIP網内の通信経路探索にMPLSを採用しており、どのVPNの通信であるかを確実に判別することができるため、VPN同士でのプライベートアドレスの衝突や、他VPNへの誤送信などの危険がなくなるよう設計されている。